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心と体

2013年6月16日 (日)

SOC(首尾一貫感覚)と内発的動機づけ

NHKのEテレで、ダニエル・ピンクのプレゼンテーション「やる気の謎解き」が放送されていた。ダニエル・ピンクによれば、創造性を必要とする現代の職場で、持続するやる気を引き出し,活気のある職場や社会を実現するには、内発的動機づけが重要で、そのために3つの要素、自主性(autonomy)、熟達(mastery)、目的(purpose)が鍵になる。

【内発的動機づけに必要な3つの要素】
自主性(autonomy): 人生の舵を自分でとる
熟達(mastery): 価値ある技術を磨き続ける
目的(purpose): 自分より大きな何かのためになる

この2009年のプレゼンテーションは、TEDのサイト(ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」)で観ることができる。書籍としては、『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか 』として、2010年に訳本が刊行されている。

しばらくして、録画を見返した後、ふと自主性、熟達、目的という3つの要素と、SOC(Sence of Coherence)を構成している3つの感覚とは、共通性があると感じた。
アントノフスキー博士によって着想されたSOCとは、「ストレス対処能力SOC」などの解説によれば、直訳すれば、首尾一貫感覚、つまり、自分の生きている世界は首尾一貫している、筋道が通っている、訳がわかる、腑に落ちるという感覚である。SOCが高い人は、ストレス対処能力・健康保持能力が高く、その後の健康状態も良いといわれている。SOCは、把握可能感、処理可能感、有意味感という3つの感覚からなっている。この一見、わかりづらい3つの感覚を、蝦名玲子氏が、「困難を乗り越える力」などの著作で、わかる感、できる感、やるぞ感、という、わかりやすい言葉で表現されている。

【SOCを構成する3つの感覚】
把握可能感(sense of comprehensibility、わかる感): 自分の置かれている、あるいは置かれるであろう状況がある程度予測でき、または理解できるという感覚
処理可能感(sense of managerability、できる感): 何とかなる、何とかやっていけるという感覚
有意味感(meaningfulness、やるぞ感): ストレッサーへの対処のしがいも含め、日々の営みにやりがいや生きる意味が感じられるという感覚

自主性と把握可能感、熟達と処理可能感、目的と有意味感は、関連が深いと思う。例えば、自主性が尊重されれば、把握可能感が高まる。また熟達することによって、処理可能感が高まり、目的があれば有意味感を持つことができる。つまり職場や社会で、内発的動機づけに必要な3つの要素が上手く働くことによって、個人のSOCを構成する3つの感覚が高まり、SOCが向上するのだと思う。

2013年4月 1日 (月)

「心を整える。」と心の4S

心は移ろいやすく、いい状態に保ち続けることは難しいものです。また自分しか分からないけれども、自分では分からない面もあり、どこか捉えどころがありません。
心の捉え方はいろいろあって、心理学では、認知、行動、知能、感情などから捉えます。これらは心の構成要素として不可分なものを、敢えて別々に見ることで心の動きを理解したり、その理解に基づいて、問題を解決することに役立ちますが、日々の心の持ち方に当てはめるためには、適当ではありません。
心のシンプルなメンテナンス方法を思案し、職場で行われている4Sの考え方を転用して、心の4Sという概念を考え、2010年にWebサイトに掲載しました。
2011年に長谷部誠著「心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣」が出版され、133万部のベストセラーになりました。長谷部誠は、Jリーグからドイツのヴォルフスブルクへ移籍し、南アフリカ・ワールドカップでゲームキャプテン、AFCアジアカップでキャプテンを務めた選手です。
まず「心を整える。」というタイトルに惹かれましたが、本の帯には、「心は鍛えるものではなく、整えるもの。」と書いてありました。まえがきには、「心をメンテナンスする」「心を整える」ということを常に意識して生活している、常に安定した心を備えることによって、どんな試合でも一定以上のパフォーマンスができるし、自分を見失わずにすむ、とも書かれていました。心の4Sという概念と非常に近い気がして、56の習慣それぞれを心の4Sから見てみるとどうなのか、検証してみようと考えました。
Sdim2555

その結果を、「心を整える。」と心の4Sにまとめました。またその検証をする中で、2010年に掲載した説明の不十分なところが分かり、心の4S ver1.1として改訂しました。
最近は「○○が□□になる##の習慣」というタイトルの本が多く出版されていますが、それ風に表現すると、心の4Sは「心が安定する4つの習慣」ということになります。このように表現すると、日常的に使えそうな気がします。