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2017年2月

2017年2月16日 (木)

Vest Pocket Kodak(その2)

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Vest Pocket KodakにGakken Pinhole Cameraの本体を結合して、135フィルムでの撮影を始めてみたが、結合に使った吸盤式レンズオープナーの組み合わせ方や、距離目盛のずれなどで、ケラレやピンボケが発生した。試行錯誤を経て、ようやく前回の記事に書いた形になった。
以下は、いずれもVest Pocket Kodakのフードを外し、絞り開放のF6.8で撮影した作例である。フィルムはフジカラーのSUPERIA X-TRA400と記録用カラーフィルム100を使用し、フジカラーCDでデジタル化している。
 
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1/25秒 NDフィルター 記録用カラーフィルム100
 
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1/25秒 NDフィルター SUPERIA X-TRA400
 
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1/25秒 記録用カラーフィルム100
 
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1/25秒 NDフィルター 記録用カラーフィルム100
 
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4秒 記録用カラーフィルム100
 
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8秒 SUPERIA X-TRA400
 
反射にしろ透過にしろ光の量が十分な対象物や、暗いところでの点光源などは、フレアのようなソフトフォーカス効果が顕著に出るようである。

2017年2月15日 (水)

Vest Pocket Kodak

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Vest Pocket Kodakは、1912年から1926年にかけて製造された127フィルム(ベスト判)を使用するフォールディングタイプのカメラである。単玉レンズのコンパクトカメラを調べていくうちに、その元祖ともいえる存在であること、また「ベス単フード外し」という技法で、ソフトフォーカスの写真を撮ることが日本でのみ流行したことなど、特色のあるカメラであることが分かった。製造から100年を経過しているため、ヤフオクでも出品は少なく、外観もかなり劣化しており、動作保証がされているものは価格も高い。さらにレンズにさまざまなタイプがあり、単玉(1群2枚のアクロマティック・メニスカスレンズ)になるとさらに機種が絞られる。結局、海外まで探索範囲を広げ、UKのebayで落札した。「愛されるベス単」(朝日ソノラマ)という本によると、ベスト・ポケット・オートグラフィック・コダックというタイプで100万から120万台の間に位置する機種のようである。
 
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Vest Pocket Kodak(蛇腹をたたんだ状態:表側)
 
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Vest Pocket Kodak(蛇腹をたたんだ状態:裏側)
 
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Vest Pocket Kodak(蛇腹を引き出した状態)
 
127フィルムは入手経路が限られており、また1ロールあたり8枚しか撮れず、撮影後の現像やデジタル変換が出来るラボも限定される。135フィルム(35mmフィルム)で撮影するために、Gakken Pinhole Cameraの本体をフィルムバックとして利用する方法を考えた。VPKデジタル化作戦というサイトからアイデアを借用し、吸盤式のレンズオープナーを加工して、Gakken Pinhole Cameraの本体からシャッターユニットを取り外した43mm径の開口部とVest Pocket Kodakの赤窓のついた裏蓋を外して現れる29mm径の円形穴を繋いだ。レンズオープナーは、13-21、19-29、24-36、30-45、37-54、44-62の6種類があり、24-36と30-45の前端をカットして重ね、37-54の後端をカットしたもので覆うように加工した。
 
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Gakken Pinhole Camera(本体、シャッターユニット)、加工したレンズオープナー
 
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Gakken Pinhole Camera本体と結合した加工レンズオープナー、赤窓のついた裏蓋を外したVest Pocket Kodak
 
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Gakken Pinhole Camera本体と結合したVest Pocket Kodak
 
一眼レフやミラーレス一眼であれば、撮影時にピントを確認することが出来るが、上記のしくみでは確認出来ない。Gakken Pinhole Cameraの本体でフィルム面となる箇所に、半透明のプラスチック板(お菓子の中箱を切断したもの)を取り付け、被写体との距離を測りながら結像する位置を見つけ、距離目盛を作製した。ピントの調整は、Vest Pocket Kodakの矢来式金具で支えられた蛇腹を伸縮させて行う。Vest Pocket Kodakは、本来、矢来式金具を最大に伸ばした、レンズ前板からフィルム面まで92mmの位置で、固定焦点で使用する。ピントを確認すると、レンズ前板からフィルム面まで90mmの位置が無限遠であった。レンズ前板からフィルム面まで142mmの位置に蛇腹を伸ばすと、レンズ前板の前方150mmの被写体に合焦した。ポイントとなる撮影距離で、レンズ前板の位置に距離目盛を打ったものを下に示す。ダウンロードして使用される場合は、Windows10のペイントで開き、印刷設定で16%に縮小して印刷すると原寸大となる。フィルム面からの位置が90mmのところに∞マーク、142mmのところに0.15の数字があればよい。
 
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フィルム位置にプラスチック板を取り付けたGakken Pinhole Camera本体
 
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距離目盛
 
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ブラケットSK-7にGakken Pinhole Camera本体と結合したVest Pocket Kodakを取り付け、距離目盛を貼り付けた状態
 
Vest Pocket Kodakのボールベアリング・シャッターは、B、T、1/25秒、1/50秒の四速だが、精度はともかく1/50秒はシャッターが切れたり切れなかったり、不安定であったため、専ら1/25秒で使用することにした。
しかしながら元々、当時のISO4程度のフィルムで、晴れは1/25秒、快晴は1/50秒、曇では三脚を使用して1/2~1秒で撮影する仕様になっているため、現代のISO100以上のフィルムでは、露出過多になるシーンが多い。さらに「ベス単フード外し」の技法で撮影しようとするとF6.8~8となり、晴れた屋外での撮影は困難である。そのため可変式NDフィルターで露光調整を行うことにして、下記の露出表を作製した。基本的には三脚での使用を想定している。
 
Vpk_exposure
露出表 2017/3/12修正
 
以下の作例は、無限遠にピントを合わせ、1/25秒のシャッタースピードで、可変式NDフィルターで補正しながら絞り値を変化させ撮影したものである。焦点距離は72.2mmとなっており、ほぼその通りの画角である。絞り値とND補正ナンバー、シャッターの下部に記された、絞りに応じた被写体(距離)と番号を併記している。フィルムはフジカラー SUPERIA X-TRA400を使用し、フジカラーCDでデジタル化している。
 
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F32 CLOUDS/MARINE 4
 
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F22 ND2 DISTANT VIEW 3
 
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F16 ND4 AVERAGE VIEW 2
 
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F11 ND8 NEAR VIEW/PORTRAIT 1
 
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F8 ND16 絞り開放と1の中間(仕様外、フード外し)
 
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F6.8 ND32 絞り開放(仕様外、フード外し)
 
フードを外してF8とF6.8で撮影したものは、球面収差によると言われるソフトフォーカスが生じている。

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