無料ブログはココログ

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

2016年8月

2016年8月15日 (月)

Wide Lens Camera (Vivitar Ultra Wide & Slim)

Fh000005
 
Vivitar Ultra Wide & Slimは、人気のあるトイカメラで、主な仕様は、レンズ f=22mm プラスチックレンズ2群2枚 絞り F=11 シャッタースピード 1/125秒 撮影距離範囲 1.2m~無限遠 適正露出 EV12となっている。Vivitar Ultra Wide & SlimをベースにデザインされたWide Lens Camera Seriesの一つが、ムックの付録として何故かカメラ単体よりも安く販売されていたので、2010年に購入していた。今回、フジカラー NATURA 1600を入れて撮影してみた。
 
20160814_210400_1280x960
Wide Lens Camera (Vivitar Ultra Wide & Slim)
Clover San
PowerShovel,Ltd./SuperHeadz.Tokyo
 
Fh000003
定点撮影。焦点距離22mmの画角どおりであるが、ファインダーの視野はおおよそ24mm相当で、視野範囲を越えて写っている。焦点距離28㎜相当の範囲はしっかり解像しており、周辺部はぼやけている。晴天で、周辺光量の低下(トイカメラ風にいうとトンネル効果)が分かりやすく出ている(EV15、推定、以下同じ)
 
Fh000004
ブロック風壁面(中心部やや右寄りの茶色の模様はフィルム面の破損)。焦点距離22mmという超広角にもかかわらず、歪曲収差が皆無(EV12)
 
20160814_235648_1280x959
20160814_235805_1280x958
20160814_235707_1280x960
シャッター・絞りの後にもレンズがあり、レンズに反射する光の大きさ、形状からメニスカスレンズのようにみえる。シャッター・絞りの前のレンズも同様。絞り前のレンズ径は約5mm、絞り後のレンズ径は約15mmと大きさが異なる。フィルム面は湾曲するように作られている
 
Fh000009
逆光では、複雑なフレア、ゴーストが出現する(EV14)
 
Fh000015
夕陽の差し込む拝殿(EV7)
 
Fh000018
日没時の田園(EV8)
 
Fh000020
明るい照明の夜の喫茶店内(EV5)
 
Fh000026
日没後の夜景(EV5)
 
収差がよく補正された作例やレンズの外観、配置から、Vivitar Ultra Wide & Slimのレンズ構成を思案してみた。「Drマスダの写真レンズ教室」によると、収差補正が困難になる明るいレンズや超広角レンズは昔から対称型構成にするのが定石である。
Vivitar Ultra Wide & Slimは、径の異なる同じパワーのメニスカスレンズを絞りを挟んで逆向きに配列した、対称型構成の一種ではないかと思われた。メニスカスレンズを対称型に配置したという点では、ペリスコープF15に近い。またレンズ付フィルムのようにフィルム面を湾曲させることで、レンズで補正しきれない像面湾曲を軽減させている。
トイカメラといえば、安っぽいつくりで、写りの悪さを効果とするようなところがあるが、Vivitar Ultra Wide & Slimは、レンズ構成とフィルム面の形状を工夫し、コストの制約の中で、超広角にもかかわらずレンズの解像力とコントラストを高め、収差を補正している。周辺光量の低下とフレア、ゴーストについては、小径の少ない枚数のレンズでは如何ともし難いが、トイカメラとすればむしろ長所になる。「ある意味、奇跡的トイカメラ!」というコピーのとおりかもしれない。
フジカラー NATURA 1600との組み合わせでも日没以降の撮影条件では厳しかったが、天候を問わず、太陽が昇っているときは、概ね写すことが出来ると思われる。

2016年8月 9日 (火)

raynox RC-102 疑似写ルンです化

Fh000012
 
今年は、富士フィルムの写ルンですが誕生してから30周年に当たり、アニバーサリーキットも発売されている。NATURAL PHOTO SYSTEMについて調べているうちに、フジカラー NATURA 1600フジカラー SUPERIA Venus 800などの超高感度フィルムが、元々、ラチチュードの広い、固定露出の写ルンです専用に開発されたフィルムであることが分かった。
そうであれば、これらのフィルムは、トイカメラを始めとした、固定露出、固定焦点の簡易カメラにも、向いていると考えられる。手元に、何かの写真用品を購入した際におまけとして付いてきた、raynox RC-102というカメラがあり、スペックが写ルンですに近いため、フジカラー NATURA 1600を入れて検証してみた。
なおraynox RC-102は、Konica PHOTO PiEのOEMと思われる。 FUJI BeneとKonica PHOTO PiEは、ともにレンズ付フィルムの技術を活かして1989年に発売された廉価版カメラである。廉価版といっても、Konica PHOTO PiEは、XT-Designによる作品であり、FUJI Beneの翌年に発売されたFUJI TELE Beneは、GOOD DESIGN AWARDを受賞しており、インダストリアルデザインに力をいれていたことが分かる。
 
20160807_200552_1280x960
raynox RC-102
 
[主な仕様]
 
写ルンです シンプルエース
フィルム ISO400
レンズ f=32mm F=10 プラスチックレンズ1枚
シャッタースピード 1/140秒
撮影距離範囲 1m~無限遠
適正露出 EV12
 
写ルンです1600 Hi・Speed
フィルム ISO1600
レンズ f=32mm F14 プラスチックレンズ1枚
シャッタースピード 1/200秒
撮影距離範囲 0.8m~無限遠
適正露出 EV11
 
raynox RC-102
フィルム ISO200か400の使用推奨(今回はISO1600)
レンズ f=33mm F=8 2群2枚プラスチック非球面レンズ使用
シャッタースピード 1/125秒
撮影距離範囲 1(あるいは1.2)m~無限遠
適正露出 EV11(ISO400時)、EV9(ISO1600時)
 
raynox RC-102は、写ルンですとほぼ同じ焦点距離であり、レンズ枚数は1枚多い。撮り比べた訳ではないが、作例を比較すると、写ルンですよりもシャープさに欠け、周辺の収差も強いようである。もっとも写ルンですは、フィルム面を湾曲させることで像面湾曲を軽減しており、raynox RC-102の裏蓋のフィルム圧板も若干湾曲しているため、レンズ単体での比較は難しい。F値はやや明るく、撮影距離範囲は同等である。適正露出の差も0〜2段と思われる。写ルンですにない特徴として、多重露光が可能な点があげられる。以下は作例である。フジカラーCDにてデジタル変換している。
 
Fh000027
定点撮影。焦点距離33mmの画角どおりであるが、ファインダーの視野はおおよそ38mm相当で、視野範囲を越えて写っている
 
Fh000022
多重露光。逆光でリング状のゴーストが出ている
 
Fh000019
半逆光の日光に対し、盛大なフレアとゴーストが発生している
 
Fh000005
昼間の明るい室内。室内の暗い部分も潰れていない
 
Fh000002
晴れの屋外での多重露光
 
フジカラー NATURA 1600の超高感度とラチチュードの広さにより、EV9を中心として、EV6からEV15までの範囲は撮影可能なようである。

2016年8月 7日 (日)

FUJICA AUTO-7 DATE 疑似NPモード

Fh000031
 
富士フィルムが35mmフィルムカメラの最終期の製品として開発したKLASSEやNATURAには、NPモードという露出制御プログラムが搭載されており、同社の35mmカラーネガフィルムである超高感度のフジカラー NATURA 1600と組み合わせて、低照度でのノンフラッシュ撮影を実現している。NATURAL PHOTO SYSTEM(以下、NPシステム)と名付けられたこれらの製品群についての論文に、NPモードの露出制御が説明されており、フジカラー NATURA 1600を使用し、大まかには+2EV(つまりISO感度400設定)での露出補正を行うことで、どのようなカメラでも疑似的に実現できると思われる(以下、疑似NPモード)。NPシステム発表後に、既にネットでそのような言及が多く出ている。
 
フジカラー NATURA 1600は、超高感度でありながら、+8EVまでのラチチュードを有しており、日中の高照度下を含め、明るい被写体でも記録可能である。FUJICA AUTO-7 DATEは、ISO感度設定は400までしかできないが、疑似NPモードとして使うには問題ない。F2.8〜16の絞り値と1/8〜1/500のシャッタースピードによるプログラムAEにより、ISO感度100では、EV6〜17の明るさの撮影が可能であるが、疑似NPモードの場合、EV2〜21という幅広い撮影条件での記録が可能となる。考え方としては、EV2では0EV、EV3では+1EV、EV4〜15では+2EV、EV16では+3EV、以降、EVが1段上がる毎に、+1EVずつ補正(つまり露出オーバー)となり、EV21では+8EVとなる。通常の撮影条件としては、上限はEV16(快晴時の海岸、山、雪景色)あたりと思われるので、絵的に破綻することは少ないと考えられる。
以下は、FUJICA AUTO-7 DATEとフジカラー NATURA 1600による疑似NPモードでの作例である。フジカラーCDでデジタル変換している。EV値は推定である。光の条件を問わず、見たままの雰囲気や質感に近い印象である。
 
Fh000014
逆光での海岸(EV16)
 
Fh000022
夕方の公園(EV8)
 
Fh000034
夜景(EV5)
 
20160731_201341_1280x960
参考)夜景(Galaxy S5で撮影)

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »